TAKUMI NO SATO たくみの里

群馬県みなかみ町にある道の駅「たくみの里」のウェブサイト制作のディレクションです。こちらの道の駅は、通常の、大きな建物のなかにさまざまな店舗が集まっている形態のものとは異なり、広大なエリアに体験工房や飲食店、農園が点在し、地域全体を周遊できる場所。実は道の駅制度が成立する以前からあった場所で、日本の昔ながらの自然や人の暮らし、手作業の技術を受け継ぎ、さらにそれが地域の観光資源となるよう構想された場所です。

一帯には、道の駅に属する施設以外に、田んぼや蔵のある古い民家も立ち並び、地元の方々も生活しています。昔ながらの里山の風景を残した美しい田舎町を歩きながら、木工や和紙などの体験工房や、地元食材を使った飲食店を巡ることができるほか、周囲の温泉地に立ち寄ったり、泊まったりと、幅広い過ごし方をする人々で賑わいます。体験工房や飲食店の主宰には、地元出身者はもちろん県外出身者も少なくなく、開かれた組織であることも特徴です。集約ではなく分散へ。道の駅や地方の合理化や均一化のなかで、改めて見直されてもいいあり方ではないかと感じるプロジェクト。私たち自身、東京から移動して、里山を歩き回ることで毎回リフレッシュさせてもらっています。

PHOTOGRAPHY: KOSUKE TAMURA